pet help desk

ペットちゃん
お悩み相談室
獣医師コラム

vol.04

ペットちゃんお悩み相談室 シニア期の
トイレ事情」について

こんにちは。
株式会社レティシアン 専属獣医師の金子 潤です。

Intro illust シニア期のワンちゃん・ネコちゃんと暮らしているオーナー様からよくご相談を受ける
トラブルの一つが「排泄の失敗」。

  • トイレまで行ったけれど、お尻がトイレからはみ出してしまう
  • トイレじゃない場所で排泄してしまうことが増えた
  • 目が見えにくくなって、トイレの場所が分からなくなってしまった
  • あちこちで排泄するようになってしまい掃除が大変
  • 毎日おむつを着用しなければならない

など、若いころには見られなかった排泄行動の変化がシニア期のワンちゃん・ネコちゃんでは目立つようになります。

排泄の失敗は様々な原因で発生することがあり、適切な対策をとってあげればおむつに頼らなくてもトイレで排泄ができるようになる場合があります。

今回は、シニア期のワンちゃん・ネコちゃんが排泄を失敗してしまう理由と対策について解説していきます。

CONTENTS

排泄を失敗してしまう主な理由

  • 01
    病気や体調の変化による
    尿量・排尿回数の増加

    膀胱炎や神経の異常などによって排尿回数が増えたり、腎臓病やホルモンの病気によって尿の量が増えたりすることによって、トイレ以外の場所で排尿をしてしまうことがあります。
    多くの場合、ワンちゃん・ネコちゃんにとっても予想外なタイミングで尿意を催してしまってトイレまで間に合わなくなってしまうため、排尿後に困惑したり不安そうにする様子が見られることがあります。

  • 02
    体の痛みや
    運動機能の低下

    体に痛みがあったり、筋肉や関節の動きが悪くなったりすることで、トイレまでの移動や排泄姿勢を取るのが難しくなってしまうと、トイレ以外の場所で排泄してしまうことがあります。痛みや違和感によって排泄をためらうような仕草が見られたり、腰をかがめるのがむずかしくなり以前とは異なる姿勢で排泄をするようになったりします。
    この場合、ワンちゃん・ネコちゃんが自分の意思で排泄を行うため、困惑したり不安そうにする様子は見られません。

  • 03
    知覚機能・
    認知機能の低下

    視覚や嗅覚といった知覚機能の低下や認知機能の低下によってトイレの場所が分からなくなってしまうと、トイレ以外の場所で排泄してしまうことがあります。
    初めのうちはトイレの近くで排泄の失敗が生じ、次第にトイレから離れた場所でも排泄するようになることが多いです。認知機能の低下が進行するとトイレの場所や特徴が分かりにくくなってしまい、ベッドで排泄するようになったり不特定の場所で排泄してしまうこともあります。
    この場合、ワンちゃん・ネコちゃんには「排泄を失敗してしまった」という認識はないため、困惑したり排泄をためらったりする様子は見られません。

  • 04
    不安や恐怖

    加齢に伴い認知機能が低下すると、ワンちゃん・ネコちゃんは不安や恐怖を感じやすくなることがあります。自分のいる場所や状況が分からなくなったり、オーナー様と離れていることへの不安が強まったりと、不安の表れ方には個体差があります。
    こうした不安や恐怖は排尿回数や尿量を増やす原因となるだけでなく、トイレまでの移動を怖がり、別の場所で排泄してしまうこともあります。

排泄の失敗を減らすための工夫

認知機能が著しく低下していない限り、ワンちゃん・ネコちゃんにとってもトイレを失敗してしまったり、自分の体や寝床が排泄物で汚れてしまうのは嫌なものです。

「おむつを着用する」ことも排泄トラブルを軽減する有効な方法ではあるのですが、おむつを着用していることに対する不快感や、おむつの中が蒸れてしまったり皮膚が荒れてしまったりすることで、ワンちゃん・ネコちゃんにストレスを与えて場合もあります。

トイレやお家の中に工夫を凝らして「排泄を失敗しにくい環境づくり」をしてあげることで、できるだけおむつに頼らずに排泄の失敗を減らしてあげることができます。

  • Section2 illust01

    01 排泄スケジュールを
    確認する

    まずは、ワンちゃん・ネコちゃんの1日の排泄スケジュールを確認し、記録を取るようにしましょう。ワンちゃん・ネコちゃんは運動や食事の前後に排泄することが多く、それ以外の時間では概ね一定の間隔で排泄することが分かるかと思います。

    普段の排泄スケジュール・排泄パターンを確認し、「そろそろトイレの時間だな」と思ったら少し早めにトイレに誘導して排泄を促してあげることで、排泄の失敗を減らしてあげることができます。
    また、排泄パターンの変化は体調変化のサインであることも多いため、排泄の記録を取っておくことで病気の早期発見につながることもあります。

    • ワンちゃん・ネコちゃんが飲んでいるお薬の種類によっては、排尿回数や尿の量が増える場合があります。投薬から1時間後くらいを目安に一度トイレに連れていってあげましょう。
    • 夜間にトイレに行きたくて起きてしまう場合は、就寝前に一度トイレに連れて行ってあげましょう。
  • Section2 illust02

    02 トイレを
    認識しやすくする

    加齢に伴って視覚・嗅覚といった知覚機能や認知機能が低下し、トイレの場所が分かりにくくなってしまうことがあります。また、足の裏の感覚が鈍くなることでペットシーツとカーペットの区別がつきにくくなり、カーペットの上で排泄してしまうこともあります。

    以下のような工夫をして「ここがトイレだよ」という情報をたくさん与えてあげることで、ワンちゃん・ネコちゃんが迷わずトイレに辿り着く確率を高めてあげることができます。

    トイレに壁を付ける

    トイレの周りを囲って“壁”を作ってあげることで、遠くからもトイレの位置が把握しやすくなります。また、「ここからここまでがトイレ」だという情報が分かりやすくなるため、お尻がトイレからはみ出してしまう可能性を下げることができます。

    トイレをライトで照らしておく

    目が見えにくくなっても、明暗の違いは認識できる場合があります。
    トイレの周囲にライトを置いてあげると、夜間でもトイレまでたどり着きやすくなります。

    排泄物のニオイを
    トイレに少し残しておく

    視覚や聴覚と比べて、嗅覚は衰えにくいということが分かっています。
    排泄物のニオイを少しトイレに残しておくことで、目が見えにくくなったワンちゃん・ネコちゃんでも嗅覚を頼りにトイレまでたどり着きやすくなります。

    トイレまでの道のりに
    ジョイントマットを敷く

    カーペットとは異なる感触のもの(ジョイントマットなど)をトイレまでの道のりに敷いてあげることで、足の裏の感覚を頼りにトイレまでたどり着きやすくなります。

  • Section2 illust03

    03 トイレを増設する

    ワンちゃん・ネコちゃんの体に痛みがあったり、身体機能が低下していたりすると、トイレの場所は分かっていてもたどり着くことができず、他の場所で排泄してしまうことがあります。その場合、ワンちゃん・ネコちゃんの寝床や活動範囲の近くにトイレを増設してあげることで排泄の失敗を減らすことができます。

    POINT ! …
    元から設置しているトイレの
    場所は変更しないこと

    トイレまでたどり着きにくくなっても、元から設置しているトイレの場所は変更せず「トイレの数を増やす」ようにしてください。
    元々あったはずの場所からトイレがなくなってしまうと、ワンちゃん・ネコちゃんが混乱してしまって排泄の失敗を余さらに悪化させてしまう可能性があります。

  • Section2 illust04

    04 トイレや足の裏に
    滑り対策をする

    身体機能の低下や筋肉の衰えによって排泄時にふんばりが効かなくなり、体がトイレからはみ出てしまったり転んでしまったりすることがあります。その場合、以下のような対策を行ってトイレやワンちゃん・ネコちゃんの足の裏に滑り止めをしてあげることで、排泄の失敗やケガの可能性を減らしてあげることができます。

    • トイレの滑り止め

      • トイレ周囲に滑りにくいマットを敷く
      • ペットシーツの材質を変更する(布製など)
      • 網目状になっている滑り止めマットをペットシーツに重ねて設置する
    • 足の裏を滑りにくくする

      • 肉球の間の毛を短く切る
      • 足の裏や爪に装着する滑り止めグッズを活用する
  • Section2 illust05

    05 排泄姿勢を補助する

    体の痛みや筋力の低下、関節の動きの悪化などによって、ワンちゃん・ネコちゃんが排泄姿勢を維持しにくくなることがあります。
    その場合、排泄中に腰を支えてあげたり、歩行補助ハーネスを装着して排泄姿勢を補助してあげることによって、ワンちゃん・ネコちゃんがより快適に排泄することができます。

  • Section2 illust06

    06 きちんとトイレで
    排泄できたら
    よく褒めてあげる

    ワンちゃん・ネコちゃんがトイレできちんと排泄できたら、それを当たり前にせず、少し大げさなくらい褒めてあげましょう。
    これによって、「ここで排泄するとオーナー様が喜んでくれる」ということを学習し、自力でトイレまで行って排泄しようという意欲を高めてあげることができます。

Section3 title deco おむつを使う時のポイント

オーナー様がワンちゃん・ネコちゃんのそばにいてあげられないときや、ワンちゃん・ネコちゃんの身体機能・認知機能が著しく低下してしまってトイレでの排泄が困難になってしまった場合は、おむつの着用が必要になります。おむつを着用する際は、おむつが脱げてしまわないための対策や、皮膚の蒸れ・荒れの対策をしてあげましょう。

  • おむつのズレ・脱げ防止

    • おむつサスペンダー、おむつ固定用のマナーパッドといたグッズを使用する
    • おむつの上から洋服を着せてあげる
    • マスキングテープや養生テープなど粘着力の弱いテープを使って、おむつと背中の毛を留める
    Section3 illust01
  • 皮膚の蒸れ・荒れ防止

    • できるだけ頻繁におむつを交換して、体に付着した排泄物を速やかに洗浄する
    • ワセリンなどの油分の多い外用薬を皮膚や毛に塗って、汚れや水分を付着しにくくする
      ※ご使用前に必ずかかりつけの獣医師にご相談ください
    • おむつの尻尾を通す穴を広げて、一回り大きいサイズのおむつを重ね履きさせることで、尿は1枚目のおむつの中に、便は1枚目と2枚目のおむつの間に排泄されて、ワンちゃん・ネコちゃんの体の汚れを軽減できます
    Section3 illust02

まとめ

今回は、シニア期の
ワンちゃん・ネコちゃんの
「排泄の失敗」について
解説いたしました。

排泄を失敗してしまう原因を見極めて、適切に対策することが
ワンちゃん・ネコちゃん・オーナー様の

「快適な毎日」
につながります。

排泄行動の変化は加齢だけでなく、
様々な原因によって生じる
可能性があるので、
日頃から愛犬・愛猫の様子をよく
観察して、様子の変化や気になる点が
少しでもあれば動物病院に
相談するようにしましょう。

Kaneko

金子 潤 Jun Kaneko

株式会社レティシアン 専属獣医師 
日本ペット栄養学会 正会員
一般社団法人 日本獣医動物行動学会 会員
公益社団法人 日本動物福祉協会 賛助会員
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